健康ライフ

平均寿命と健康寿命

我が国の平均寿命はほぼ一貫して延伸し続け、2012年の男性の平均寿命は79.94年、
女性の平均寿命は86.41年であり、世界有数の長寿国となっている。

平均寿命国際比較(男女別)

また、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」である健康寿命は、
2010年時点で男性が70.42年、女性が73.62年でこちらは男女とも世界一であった。

健康寿命国際比較(男女別)

2010年時点で、平均寿命と健康寿命の差は、男性9.13年、女性12.68年となっており、
この差が大きいほど、日常生活に制限のある「不健康な期間」が長いことになる。

健康寿命と平均寿命の差(男女別:2010年)

多くの人は「健康」が幸福感を判断するために重要であると考えていることからすると、
「健康」を害した状態で生活することは、本人の幸福感に大きな影響を与えることになる。

今後、これまでのように平均寿命の延伸に伴い、健康寿命と平均寿命の差が拡大すれば、
医療費や介護給付費の負担も大きくなることが予想される。

平均寿命と健康寿命の推移(男女別) *2001年時点で平均寿命と健康寿命の差は男性8.67年、女性12.28年であったが、2010年には男性9.13年、女性12.68年と拡大している

特に、高齢化が急速に進行している我が国においては、個人の生活の質の低下を防ぐためのみならず、社会保障制度の持続可能性を高めるためにも、国民一人一人の健康づくりを通して、健康寿命を延伸させるとともに、平均寿命との差を縮めていくことが重要である。

しかしながら、2011年の国民健康・栄養調査によると、「健康寿命」という言葉について「言葉も意味も知っている」人はわずか20.0%で、「言葉は知っていたが、意味は知らなかった」人を含めても34.6%にとどまっており、認知度・理解度ともに低い現状にあることから、今後、その向上を図っていくことが必要である。

健康寿命という言葉の認知度

高齢化の進展と人口構成の変化

近年、晩婚化や非婚化の進展によって我が国の合計特殊出生率は低下し、2005年に1.26を記録して以降、わずかながら回復したものの低水準で推移するなど、少子化の傾向が続いている。

合計特殊出生率の推移

少子化が進展する一方で、医療水準の向上などにより平均寿命が延びたことで、65歳以上の人口も増加し、2013年には3,190万人となり、過去最高となった(このうち75歳以上の人口は1,560万人)。
総人口に占める高齢者の人口の割合は25.1%となり、国民の4人に1人が高齢者となっている。
65歳以上の高齢者数は、2025年には3,657万人となり、人口の3割を超えることが予測されている。
また、75歳以上の高齢者が全人口に占める割合も増加していき、2055年には、25%を超える見込みとなっている。

高齢者の人口の推移と予測

国民医療費等の状況

1人当たりの医療費も年齢とともに高くなることから、高齢化の進展などによって国民医療費は年々伸び続け、2011年度の医療費は、前年度比で約1.2兆円増の38.6兆円となった。また、今後、高齢者(特に75歳以上の高齢者)の増加に伴い、将来の医療費は更に増大していくことが予想される。

年齢階級別の1人当たり医療費(2011年度)
国民医療費の推移

高齢化の進展に伴い、要介護高齢者の増加、介護期間の長期化など、介護ニーズはますます増大している。例えば、要介護(要支援)の認定者数は、2012年4月現在で533万人で、介護保険制度が開始されてからの12年間で2倍以上となっている。

要介護度別認定者数の推移

出典:厚生労働省

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