健康ライフ

生活習慣病 ~糖尿病~

糖尿病は、自覚症状がないことが多く、また、放置すると重大な合併症を引き起こすことが多いことから、発症の予防、早期発見、合併症の予防が重要であるとされています。

そのため、糖尿病の一次予防の推進を図る観点から、生活習慣の改善、糖尿病有病者の早期発見及び治療の継続について目標が設定され関連施策として、「食事バランスガイド」「エクササイズガイド2006」等を活用した生活習慣病の一次予防に関する知識の普及・啓発等を行いました。

また、2008年4月から、生活習慣病の発症や重症化を予防することを目的として、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した「特定健康診査・特定保健指導」が新たに導入されました。

糖尿病の主なタイプ

糖尿病には、大きく分けて1型と2型の2つのタイプがあります。
日本での糖尿病患者の9割は、2型糖尿病が占めているといわれています。

1型糖尿病って?

1型糖尿病は、すい臓のβ細胞が破壊され、自身の体内でインスリンを作り出すことができなかったり、ごくわずかしか作れません。
このため、インスリン注射をすることにより体外からの補給が必要となります。

1型糖尿病は、突然発症する傾向があり、若い内に発症することが多いとされていましたが、最近では年齢に関係なく起こる可能性があるとされています。下記の症状が急に起こります。

主な症状

  • ・のどの渇きがひどくなる
  • ・排尿の回数が多い
  • ・急激な体重減少
  • ・疲れがひどい

2型糖尿病って?

2型糖尿病は、食べすぎ、運動不足、ストレスなどの生活習慣の乱れと、その結果起こってくる肥満が、その発症および病態に強く関係していると考えられています。
初期の頃は自覚症状がほとんどなく、治療を行わず血糖値を高いまま放置すると、さまざまな合併症を引き起こし重症化してしまいます。

主な症状

  • ・のどの渇きがひどくなる
  • ・体がだるく疲れやすくい
  • ・皮膚が乾燥して痒い
  • ・手足が冷える
  • ・感染症によくかかる
  • ・排尿の回数が多い
  • ・性欲がほとんどない
  • ・急激な視力低下・目がかすむ
  • ・傷が治りにくい

食生活 ~肥満と糖尿病~

体重は、健康状態との関連性が強く、肥満はあらゆる生活習慣病を引き起こす要因となります。
日本で急激に増えている糖尿病などとも関連性が強くあるとされています。

2012年の時点では、男性の29.1%、女性の19.4%が肥満(BMI≧25)であった。

肥満とやせの割合の推移

肥満の人の割合は、30年前と比較すると、男性についてはいずれの年代でも増加しています、
この要因、食生活が欧米化し、肉類の消費が増え魚類の消費が減少したことが原因であるとも
言われている。

年代別の肥満の男性の割合(30年前との比較)

これに対し、20代の女性の21.8%が「痩せ」(BMI<18.5)であり、その割合は30年前と比較して
増加している。「痩せ」はだるさ、疲れやすさの元となるのみならず、摂食障害による無月経や低血圧、不整脈など多くの健康障害を招くおそれがあるという見解もあり、適切な食生活も重要です。

年代別のやせの女性の割合(30年前との比較)

肥満により引き起こされる病気の中でも、特に糖尿病は、腎臓障害や視覚障害などの合併症を引き起こし、人工透析や失明などにより*QOLを低下させる大きな要因にもなります。

2012年時点では、20代以上の男性の27.3%、女性の21.8%が「糖尿病が強く疑われる」又は「糖尿病の可能性を否定できない」状態にある。
この割合は年齢が上がるほど高くなっており、年齢別でみると、特に、70代以上の男性のうち40.9%もの人が「糖尿病が強く疑われる」又は「糖尿病の可能性を否定できない」状態にある。

糖尿病が「強く疑われる」「可能性を否定できない人」の割合 *QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは『生活の質』と訳され、人間らしく、満足して生活しているかを評価する概念です。

「糖尿病が強く疑われる人」は約950万人、糖尿病予備群とも言うべき「糖尿病の可能性を否定できない人」は約1,100万人と推計されている。
「糖尿病が強く疑われる人」と「糖尿病の可能性を否定できない人」を合わせると約2,050 万人と推計され、1997年以降増加していたが、2012年に初めて減少に転じました。

糖尿病が「強く疑われる人」「可能性を否定できない人」の数

なお、肥満に関連して、自分の体型についてどう思うかを尋ねたところ、自分を太り気味であると考えている人の割合は男性で41.9%、女性で39.8%であって、実際の肥満の割合(男性の29.1%、女性の19.4%)よりも多い傾向にある。

自身の体型に関する認識

健康管理を行う上で自身の状態を正確に認識しておくことはとても重要です。
体重やBMIなど自分自身の体型を表す指標について、適切に把握しておくことが大事です。

BMIの計算式

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) × 身長(m)

例:体重が54kg / 身長が165cmの場合

19.83 = 54 ÷ 1.65 × 1.65

適正体重(kg) = 身長(m) × 身長(m) × 22

例: 59.9 = 1.65 × 1.65 × 22

適正体重と普通体重は、イコールではありません。
BMI指数22の時が、最も病気になりにくいとされています。

日本におけるBMI評価
指標 判定
18.5未満 低体重
18.5~25未満 普通体重
25~30未満 肥満1度:肥満
30~35未満 肥満2度:肥満
35~40未満 肥満3度:高度肥満
40以上 肥満4度:高度肥満
※BMI35以上を「高度肥満」と定義(日本肥満学会2011年9月より)
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